わたしがブログを書く理由

 

私がブログを書く理由。

それは「失いたくない」からだ。

 

小学校ではよく作文を書いた。

運動会、遠足、学芸会。

大きな行事の後は決まって原稿用紙が配られる。すると必ず

「うわー」「えー」「やだー」

という声が教室中に響き渡るのだ。

 

だが、私は違った。

 

"原稿用紙2枚は書くこと"という条件にクラス中が悲鳴をあげるなか、私はこう思っていたのだ。

「よーし!絶対3枚書いてやる!」

 

私にとって、作文は楽しい作業でしかなかった。

誰よりも長く、1行でも多く書くのがカッコイイことと思い、情熱を燃やしていた。

「こんなに楽しいのに、どうしてみんな嫌がるんだろう?」

と思っていたのだ。

 

そんな風に楽しんで書いていたからだろうか。

私の作品は先生をはじめ大人の方々から好評価をいただくことが多かった。よく学級通信で紹介されていたし、小規模ながらもコンクールで受賞した経験が何度かある。

その1つ1つがとても嬉しくて、私はますます作文が好きになった。

そしていつからか「私の特技は文章を書くことなんだ」と自覚するようになった。

 

だが、そんな楽しい時間は中学卒業とともに終わってしまう。

 

高校に入ってから文章を書く機会はほぼ無かった。

書いたのは、大学入試のための小論文くらい。

しかし作文と違い、ある程度の型が決められている論文は私にとっては非常に難しく

初めて「文章が書けない」という経験をした。苦しかった。

 

さらに当時、私はクラスに馴染めず学校で孤立していた。

一番楽しいはずの高校生活は毎日ただ辛いばかり。

唯一の特技と思っていたことさえ全然うまく行かない。

色んな自信を失くした私は、ついにこんなことを考えた。

 

「”作文”が得意でも、何の役にも立たない」と。

 

 

それから十数年経った、今。

つい先日のことだ。私はマンダラチャートを書いていた。

「痩せたいな。キレイになりたいな。そのためにはあれをして、これをして...」

なんてことを思いながらあれこれ書いてるうちに、どんどんジャンルが広がっていき、伸ばしたいスキルについても色々思いを巡らせていた。

そんな時に出てきた言葉がこうだ。

 

「文章で収入を得たい」

 

頭の上にクエスチョンマークが浮かんだ。

何を言ってるんだろう?と思った。

まともな文章なんて大学の卒業論文が最後、何年も書いていない。ましてお金をいただけるようなきちんとしたもの書ける訳が無い。なぜなら私が書けるのは“作文“だから。

「自分は文章を書けるんだ」という思い込みから小説に挑戦したこともあったが全くダメだった。プロのライターさんのように根拠ある正しい情報を発信する知識も技量もない。

あくまで自由に、自分の気持ちを書き連ねること。それが私の得意なことであり好きなこと。

 

ほらやっぱり。”作文”が得意でも何の役にも立たないんだ。

 

そこで一旦、お金と文章を切り離して考えることにした。

もし自由に文章を書いて収入を得られたらそんなありがたいことはないが、それは雲の上の話なのでとりあえず封印。

そして書くことは…今も嫌いではなかった。

落ち込んでいる時、私は自分の気持ちをノートに綴る。B5の大学ノートの上から下まで改行もほとんどせずに。多少手は痛くなるが、これをすると気持ちがスッキリして元気になるのだ。

逆に今ノリノリだ!と思う時も同じことをする。そうすると心が落ち着きを取り戻し、「調子に乗ってるぞ自分」と気づくのだ。

 

ここで新しい考えが生まれた。

「私の作文を書く力は人様の役には立たなくても、自分のためになっていたのかもしれない」

 

ずっと引っかかっていた。

自分には目に見える才能がないこと。手先が不器用で運動が苦手で、怖がりで音痴で、コミュニケーションを取るのも苦手で。

そんな私の唯一と呼べる特技が何の役にも立たなないことが、すごく悲しかった。

だが違ったのだ。

いい時も悪い時も無意識にノートに手が伸びた。ごく自然に「書こう」と思った。

どんな状態でもやりたいと思えるなんて、きっと本当に好きなんだと思う。

無我夢中で思いを綴る時間は、私が私を保つために絶対に必要なものだった。

 

「作文を書きたいな」

と思った。お金にならなくてもいい。読まれなくても、気づかれなくてもいい。

私はただ、書くということをしたい。

 

そこでこの度、ブログというものに挑戦することにした。

どのくらい続けられるのか、そもそも2回目があるのかもまだわからないが。

今は「書きたい、やってみたい」というワクワク感で溢れている。

 

神様がくれた「作文を書く」という特技。

使っていないと、それは取り去られてしまうものだ。

私のこれは才能と呼べるようなものではないかもしれないけれど、自分がもらったこの力を私はどうしても失いたくない。

 

これが、わたしがブログを書く理由だ。

 

 

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何を書けばいいのかわからず困っていた初投稿。

こんなピッタリのお題に出会えたことに運命を感じました。

はてなブログさん、これからよろしくお願いします。